TOPに載ります

【ドローイングシンポジウム 「描くこと」の可能性をもとめて】

本学科客員教授の北澤憲昭先生が参加するイベントのお知らせです。

 

【ドローイングシンポジウム 「描くこと」の可能性をもとめて】

日時 :2016年11月26日(土)
13:30開場/14:00開始/16:30終了
入場料:無料/予約不要
会場 :相模原市立市民・大学交流センター ユニコムプラザさがみはら セミナールーム
相模原市南区相模大野3丁目3番2号bono相模大野サウスモール3階

会場まで:相模大野駅中央改札口から北口デッキに出て、左手に進むと「bono相模大野」がみえます。そのままbono相模大野のショッピングセンターとサウスモールの間の2F中央通路(ボーノウォーク)を進み、「SoftBank」と「ほけん百花」の間を入ったところのエスカレーターで3Fに上ってください。

 

—–

デッサンは危機に瀕している。
ここにデッサンというのは、ルネサンス期のイタリアに淵源する透視遠近法と明暗法にもとづく描画システムのことであり、ながいあいだ絵画制作のルールとみなされてきた。このルールを身体化し、テクノロジーとして使いこなせることは、画家であるための、そして、美術家であるための身分証明であった。
しかしながら、ルールの常として、デッサンは絶対的なものではありえず、それゆえ、批判や違反を誘発せずにはおかない。そればかりか、意図的な逸脱を企てる者たちの登場をうながすことにもなった。19世紀末から20世紀にかけての美術史は、挙げて、デッサンの回避や克服に力をつくしてきたといっても過言ではない。そして、確信犯的なルール違反が蔓延するなかで、デッサンはルールとしての威信を、しだいに失っていった。それは近代の遠のきと同期する動きであった。
ただし、これによってデッサンの意義がうしなわれたわけではない。威信の失墜とは、他のルールによる相対化ということであって、描写を目指す制作においてデッサンは、三次元的イメージ形成のテクノロジーとして、また、描写におけるイメージ探究の方法としていまだに必要とされている。相対性理論の登場によってニュートン力学が無効となりはしなかったのと同断である。
しかし、こうした状況の到来によって、デッサンを金科玉条とする構えが成り立ちがたくなったことも否定しがたい。すなわち、デッサンから解き放たれた「描くこと」の魅惑は、すでに広く知られている。とはいえ、かつてのデッサンに取って代わる強力なルールが定まっているわけでもなく、ルールは複数化しつつ絡まりあっているのが現状だ。
デッサン以後ともいうべきこうした状況を踏まえて「描くこと」の意義を改めて捉え返すには、いったいどうすればよいのか。わたくしたちは、それについて考える契機として、「デッサン」の類義語である「ドローイング」の原語に注目した。すなわちdrawingである。この語が喚起する「引く」「汲み上げる」という動作に伴う身体性からデッサン以後の状況を照射してみようというたくらみである。再現表象ではなく、身体の動きとして「描くこと」を捉え返し、その特殊な例としてデッサンを規定する試みといってもよい。デッサンもまた線を引くことにもとづくのであり、ドローイングは、だからデッサンを含みこむといえるのだ。デッサンはドローイングの一特殊形態でありながら、その特殊性ゆえにドローイングを代表してきたのである。ちょうど、正方形が、その特殊性によって全矩形を代表するように。
わたしたちは、このシンポジウムを以上のような観点から企画した。ただし、ここに述べたことは、むろん大枠にすぎない。こうした大枠をふまえて、ドローイングをめぐるたくさんの言葉が行き交い、参加者それぞれがデッサン以後の状況にかんして何かを見届ける契機をつかむことになるのであれば、これにまさるよろこびはない。厳格なデッサンのなかに、描き手の身体性が息づく一本の線を見出すときのあの悦びに匹敵する昂揚を、わたしたちは心待ちにしている。

ドローイングシンポジウム実行員会を代表して 北澤憲昭

—–
[プログラム]

13:30- 開場

14:00- 開会挨拶:平戸貢児(女子美術大学 美術学科長)

14:05- 基調講演:北澤憲昭 / 近現代美術史 美術評論(ドローイングシンポジウム実行委員会)

14:30- 発表 / 司会 北澤

 14:30- 大森悟 / 現代美術作家
14:45- 鈴木淳子 / 美術教育研究

15:00- 休憩

15:05- 平戸貢児 / 彫刻家
15:20- 福士朋子 / 美術家
15:35- 宮島弘道 / 日本画家

15:50- 休憩

16:00- ディスカッション / 招聘コメンテーター+発表者・司会 北澤

16:25- 閉会挨拶:平戸貢児(女子美術大学 美術学科長)

16:30  閉会
—–

[発表者プロフィール]

大森 悟:現代美術作家
日常のなかに存在するあらゆるものの境界に、光、時間、揺れなどの現象を用いて透過性を生み出し、身体と空間が溶解し不在の人の視点を体験させるような映像やインスタレーション作品を発表している。『静水の際 上海』Joshibi art Gallery上海 (’13)『NHKハート展』(’16) など

北澤憲昭 :近現代美術史 美術評論
近現代美術の成り立ちについて研究をつづけている。また、同様の観点から美術の現在にコミットメントする言論活動を展開してきた。美術評論家連盟、美学会、表象文化論学会所属。1990年、『眼の神殿――「美術」受容史ノート』でサントリー学芸賞を受賞。

鈴木淳子:美術教育研究
美術教育における造形表現活動を「経験の再構成」と捉え、「経験のサイクル」の累積的な継続となる美術科のカリキュラムや指導法について研究している。著書に『美術科教育の理論と実際』など。

平戸貢児:彫刻家
金属素材を主に彫刻を制作。人々が古代から連綿と受け継いできた、文化や文明という壮大なエネルギーの蓄積。その具現化を試みる。個展(ギャラリ−なつか ʼ14 他)ミネソタ州ダルース市、東京理科大学他作品設置。環境芸術学会理事。

福士朋子:美術家
ホワイトボードを支持体にマンガの構造や文法を取り入れた絵画作品を発表。個展『Boarding』 (山本現代、’13)、『公開制作63 福士朋子—見えたものと見えなかったもの』(府中市美術館、’14-’15)など。『元祖FAXマンガ お絵描き少女☆ラッキーちゃん』(’15)、『Cut&Paste』(’16)を出版。

宮島弘道 :日本画家
既存の日本画から逸脱した表現技法を用い、自身の経験から日本画を捉え直す実験的作品制作を続けている。座の会(O美術館)ほか、グループ展、個展などで活動。創画会 会員。

—————
主催:女子美術大学ドローイングシンポジウム実行委員会
連絡先:女子美術大学 立体アート研究室 平戸貢児 042-778-6647

 

map

豊橋市美術博物館「NIHON画~新たな地平を求めて」

豊橋2   豊橋

 

豊橋市美術博物館にて、10月29日(土)から、「NIHON画~新たな地平を求めて」が始まります。

本学科教授の土屋禮一先生、山本直彰先生の作品が展示されます。

 

会期:2016年10月29日(土)-  12月11日(日)

開館時間:9:00 – 17:00(初日は正午開場)月曜休館

観覧料:一般800円

会場:豊橋市美術博物館

愛知県豊橋市今橋町3-1(豊橋公園内)

美術博物館HP:http://www.toyohashi-bihaku.jp/

 

 

第43回創画展

70cad38b450e75ac3ff0a1a934b808f3-330x488

 

まもなく、第43回創画展が開催されます。
本学科教員、助手、修了生が出品しています。

出品者
教員:尾長良範先生、松谷千夏子先生
助手:佐藤希
修了生:蕪山昌平、松岡学、手嶋遥

 

会期:2016年10月21日(金)- 10月28日(金)  9:30-17:30(入場は17:00まで)              *最終日は14:30で終了、入場は14:00まで

入場料:一般800円

会場:上野公園・東京都美術館

創画会HP:http://www.sogakai.or.jp/

 

 

西田俊英展 忘るるなゆめ

20160923_3

まもなく、本学科教授の西田俊英教授の回顧展が開催されます。

油彩を学んでいた高校生時代の作品から代表作まで展示されます。

みなさまぜひ足をお運びください。

 

西田俊英回顧展

ー忘るるなゆめー

会期:2016年10月18日(火)-11月13日(日)

開館時間:午前10時-午後8時(入館は閉館の30分前まで)※最終日は午後5時閉館

入館料:大人1000円/大学生・高校生800円/中学生以下無料

会場:そごう美術館(横浜駅東口そごう横浜店6階)

そごう美術館HP:https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/16/nishidashunei/index.html

西田俊英HP:http://www.nishida-shunei.com/Information.html

 

 

内田あぐり 室井佳世 「平面の饗宴」

DM (1)

 

展示のお知らせです。

来月、内田あぐり先生の展示が開催されます。

みなさま、ぜひ足をお運びください。

 

◾︎「平面の饗宴」内田あぐり+室井佳世

日時:10月15日(土)ー10月23日(日) 11:00-19:00

*トークショー:10月15日(土) 16:00〜

会場:数寄和

東京都杉並区西荻北3-42-17 tel: 03-3390-1155

https://sukiwagallery.net/archives/3699

 

課外講座『装潢文化財の劣化損傷』

課外講座のお知らせです。

10月3日(月)に、半田昌規氏(株式会社半田九清堂代表取締役、国宝修理装こう師連盟理事)による課外講座『装潢文化財の劣化損傷』が開講されます。

日本の文化財を構成する材料の基本は、紙、木、絹などであり、比較的弱い素材です。
このような材料の 文化財の自然劣化への対策の一つが修理です。
半田昌規氏の授業で、この修理「装潢(そうこう)」を通じて、
出来るだけ制作当時の材料を解説していただき、古典的な制作技術や制作の精神を学び、
文化財を守り、継承していく意義を研究する課外講座となります。

日時:2016年10月3日(月) 【開始時間】16:30~ 【終了時間】18:00
場所:5A号館 303教室
半田先生しろ

課外講座『「夜想」今野裕一が語る 作家になりたくない私、作家になれない私』

課外講座のお知らせです。

9月29日(木)に、今野裕一氏(「夜想」編集長,「パラボリカ・ビス」主宰)による課外講座『「夜想」今野裕一が語る 作家になりたくない私、作家になれない私』が開講されます。

「夜想」「WAVE」「銀星倶楽部」「ur」などの雑誌を創刊、現代美術のディレクション、ダンスの台本演出など、幅広く活動されている今野裕一氏による講座となります。
学生にとって身近な問題となる<表現ー作家ープロとは>について、広告も母体もなく、インディぺンデントで雑誌とオルタナティブ・スペースをやってこられた視点から語っていただきます。

日時:2016年9月29日(木) 【開始時間】16:30~ 【終了時間】18:00
場所:5A号館 303教室
今野さんポスター2

村瀬 都思 個展 「Sights」

dm03_MAU_OL

 

展示のおしらせです。

間もなく、武蔵野美術大学gFALにて、本学科卒業生の村瀬 都思さん(2009年大学院造形研究科修士課程美術専攻日本画コース修了)の個展が開催されます。

みなさま、ぜひいらしてください。

 

村瀬 都思 個展 「Sight」

会期:2016年10月3日(月) –  10月31日(月)11:00-17:00

           日・祝祭日休廊 ※ただし10月30日(日)は開廊、10月25日(火)-28日(金)は休廊

アーティストトーク:10月6日(木) 16:30-17:30

村瀬都思は、2009年に本学大学院日本画コースを修了し、修了後も精力的に制作発表を続けている若手作家です。                                                                                                                                                         村瀬は近年「くうどう」という言葉をキーワードにその独特な世界観を作り上げています。誰もが持つ朧げな記憶、形のない何か、または生まれようとする気配が村瀬独自の解釈で画面に美しいフォルムとなって表現されています。絵の前に立つと、太古から人間が持つ遠い記憶を喚起させてくれるような不思議な感覚をも覚えます。                                                                                                                                多くの情報が錯綜する昨今において、自身の朧げな記憶を手探りでも掘り下げていくこと、そして小さな事象の1つ1つを注意深く観察していくことは今を生きる私たちにとって、新たなる可能性の扉を開ける第一歩でもあるかもしれません。村瀬の作品は、そのような体験ができる数少ない美しい絵画と言っても良いでしょう。                                         この展覧会が多くの方にご高覧いただけますようご案内申し上げます。

                         内田あぐり(武蔵野美術大学日本画学科教授)

会場:武蔵野美術大学2号館 1階 gFAL

  〒187-8505 東京都小平市小川町1-736  TEL:042-342-6050

大学HP:http://www.musabi.ac.jp/topics/20160920_03_03/

日本画研究室HP:http://nihonga.musabi.ac.jp/

村瀬 都思HP:http://lamb-log.blogspot.jp/

 

日本画三人展「くらくてあかるい」

展示のお知らせです。

本学科教務補助の古川由貴と、大学院生2名が参加するグループ展が9月20日より始まります。
よろしくお願い致します。

 

「くらくてあかるい」

西田あゆみ(大学院1年生)
横山喜己(大学院1年生)
古川由貴(教務補助)

会期:2016年9月20日(火)〜9月25日(日)
12:00 – 19:00(展示最終日17:00まで)
会場:アートギャラリー絵の具箱
〒180-0004
東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目24-6
吉祥寺グリーンハイツ205
tel:0422-20-2602
url:http://www.enogubako.in

 

くらくてあかるいDM くらくてあかるい裏

創画会ゆかりの画家たち

100081584

 

展示のお知らせです。

本学科教授の内田あぐり先生、山本直彰先生の作品が展示される、
「創画会ゆかりの画家たち -アーティストin湘南Ⅲ-」が9月24(土)から平塚市美術館にて
開催されます。
お二人は期間中イベントのアーティストトークにて講演も行います。
ぜひ足をお運びください。

会期:9月24日(土)〜11月27日(日)
9:30~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(ただし10/10は開館)、10/11(火)
観覧料:一般400(320)円、高大生200(160)円
会場:平塚市美術館
神奈川県平塚市西八幡1-3-3
HP:http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/20162006
イベント:アーティストトーク
山本直彰(武蔵野美術大学教授) 10月1日(土)
斉藤典彦(東京藝術大学教授) 11月12日(土)
内田あぐり(武蔵野美術大学教授) 11月20日(日)
※時間はいずれも14:00~15:00、展示室(要観覧券)